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「沖、真里?」
目に見てわかるくらい、てっちんの表情が変わった。
細い目は吊り上がり、鬼のような形相で僕を睨みつける。
「ど、どうしたの?」
急になんだっていうんだ。
僕は何もしていない。
真里ちゃんの名前を出しただけだ。
「てか、太郎ちゃん知らないの?」
糸のように細い目を、横にした一円玉くらい見開いたマーボーに尋ねられた。
「知らないって何が?」
質問の意味がさっぱりです。
ただ、明らかにてっちんは怒っている。
真里ちゃんとてっちんは何か関わりがあるっていうのか?
顔もタイプも全然違うふたりの共通点なんて、見つけられるわけないじゃないか。
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