みっつめの飴

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「沖、真里?」 目に見てわかるくらい、てっちんの表情が変わった。 細い目は吊り上がり、鬼のような形相で僕を睨みつける。 「ど、どうしたの?」 急になんだっていうんだ。 僕は何もしていない。 真里ちゃんの名前を出しただけだ。 「てか、太郎ちゃん知らないの?」 糸のように細い目を、横にした一円玉くらい見開いたマーボーに尋ねられた。 「知らないって何が?」 質問の意味がさっぱりです。 ただ、明らかにてっちんは怒っている。 真里ちゃんとてっちんは何か関わりがあるっていうのか? 顔もタイプも全然違うふたりの共通点なんて、見つけられるわけないじゃないか。 .
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