みっつめの飴

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てっちんは最後まで話を聞くと、体をわなわなと震わせ、怒りをあらわにした。 ……コワイです。顔が。 「ぜってー許せねぇ。その、竹中ってやつ!!」 僕の話、聞いてた? 竹中じゃなくて田中だよ。てっちん。 「とりあえず真里ちゃんを探そう。どこか心当たりある?」 てっちんは真里ちゃんのお兄さんだ。 彼女がよく行く場所を知っているかもしれない。 僕は期待しながらてっちんからの言葉を待った。 「……知らん」 うん。 あっけらかんと言ったよね。 「そ、そんな……」 落胆している僕の隣で、マーボーがぽつりとつぶやいた。 「電話すればいいんじゃね?」 「あ」 盲点だった。 まず真里ちゃんに電話するべきだ。 「てっちん、真里ちゃんに電話してみて!!」 「おう!!」 てっちんはポケットから取り出したスマホで、真里ちゃんに電話をかけはじめた。 .
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