みっつめの飴

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真里ちゃんはすぐ電話に出た。 てっちんは明るく世間話をしている。 僕がさっき話した田中くんのことをすっかり忘れちゃったように、彼はにこやかだ。 「居場所、居場所」 口パクでてっちんに伝えると、指で丸を作り、僕にウインクした。 行動が昭和だ。 昭和のニオイがプンプンする。 「あー、わかったわかった。んじゃ、今から行くわ」 てっちんはスマホをポケットに戻すと、「真里、公園にいるらしい」と言った。 「公園?昨日てっちんたちと会った、あの公園?」 「そっ。今から行こうぜ」 てっちんはそう言うと、ひろりんとマーボーを引き連れ歩き出した。 「待ってよ~」 僕も慌てて彼らのあとに続いた。 .
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