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しかも元気か、って。
彼女の顔を見ればわかるじゃないか。
どう考えたって元気なはずない。
真里ちゃんはてっちんを一瞥すると、
「……お兄ちゃん」
と呟いた。
これで決定的になってしまった。
てっちんは間違いなく真里ちゃんのお兄さんだ。
ここに来るまで、実は嘘でした。ちゃんちゃん。なんてことを、心のどこかで期待している自分がいた。
だって大好きな真里ちゃんのお兄さんが、こんな変な人(失礼)だと信じられないし、信じたくなかった。
てっちんは強くて優しくて、とってもイイ人だっていうのはわかる。
うん。
わかるんだけど。
彼は間違いなく変わった人だ。
僕の周りの人たちはどうして揃いも揃って変なんだろう。
岩ちゃん、太陽。それからユマさん。
細目トリオにおばあちゃん。ついでに僕の両親も変わっている。
ああ。
まともなのは真里ちゃんしかいないよ。
僕はなんだか泣きそうになった。
そして、ますます真里ちゃんを愛しく感じた。
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