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真里ちゃんは納得いかないような顔をしたけど、これ以上てっちんと話すことを無駄と判断したらしく、
「太郎くんと話しがしたいから、お兄ちゃんたちはどこかに行って」
とストレートに言った。
「せっかく来てやったのにひでー扱いだなあ」
てっちんがぼやく。
「まあまあ、男女の問題は俺たちにはわかんねーし、ひとまず退散しようぜ」
マーボーがてっちんをなだめ、ひろりんは大きく頷く。
「チェッ。覚えてろよ!!」
……何を覚えていればいいんだ。
てっちんはよくわからない台詞を吐き捨て、ひろりんとマーボーに支えられようにいなくなっていく。
……あ!!
僕に背中を向けたまま、彼らは右手の親指をぐっと天に向けている。
『ナイスファイト』。
僕は心の中で叫んだ。
相変わらず意味不明なトリオだけど、やっぱり僕は彼らのことが大好きだ。
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