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眩しそうに目を細め空を仰ぐ真里ちゃん。
可愛い可愛い、僕の大好きな真里ちゃん。
田中くんと別れるということは、彼氏がいなくなるわけだ。
それはつまり、僕にもアタックチャンスが巡ってきた。
おばあちゃんの言う通り、僕は彼女と付き合いたいと思っている。
無理だとわかってる。わかってるけど、気持ちが止められない。
できることなら伝えたい。僕は真里ちゃんが大好きだ、と。
だけど。
すっかり忘れていたけど、僕は仮の姿で真里ちゃんに会っている。
一昨日も昨日も今日も、飴を食べたあとに彼女と会った。
つまり、彼女が本音を話している相手は、本当の僕ではないことになる。
もし、もしも僕が太っちょなままの五十嵐太郎だった場合、彼女は同じように接してくれたんだろうか。
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