僕が僕だった日

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僕は。 ……僕のままなのか? 「真里ちゃん、鏡持ってる?」 「鏡?あるよ」 真里ちゃんから鏡を借りて自分の顔を確認する。 ……間違いない。 どこからどう見ても“僕”じゃない。 それなのにどうして岩ちゃんは“僕”だとわかるんだ? 何故!? 何故!? 頭の中が!?でいっぱいになる。 「おい太郎。鏡なんか見てどうしたってんだよ?そんなに鏡みたってデブは変わんねーぞ?」 岩ちゃんは相変わらず口が悪い。 歯にブラックペッパーをくっつけているくせに、僕をデブと罵る。 「タロちゃん一体どうしたの?」 太陽が首をかしげる。 そうだ。 岩ちゃんだけじゃない。 太陽も太郎だとわかったんだ。 ……ということは 真里ちゃんに映る“僕”は、 イケメンなんかじゃなく、 ただのデブな“僕”なのか? .
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