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「……おばあちゃん」
ああ。
やっぱりおばあちゃんには敵わないや。
足の痺れはなくなった。
もう歩けるし、走れる。
「ありがとう。行ってくるよ。僕は今の……五十嵐太郎のままで、真里ちゃんと友達になりたい」
あの飴は僕に勇気を与えてくれた。
まずくて臭くて不気味な飴だけど、変われるきっかけをくれた。
――変わりたい
僕はそう願っていた。
事実、僕は今変わろうとしていた。
「がんばれ、太郎」
おばあちゃんの声援を背中に受け、僕は部屋を飛び出した。
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