僕が僕だった日

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おっと。 今はせんべいのカスを気にしている場合じゃない。 「行ってくるね!!」 僕はおばあちゃんにそう言うと、家の鍵を握りしめて階段を駆け降りた。 そのまま勢いよく玄関のドアを開けると、 そこには自転車に跨がった岩ちゃんがいた。 「岩ちゃん何やってるの!?」 本気で驚いた。 さっき飲んだオレンジジュースが口から飛び出してしまいそうになるほど、驚いた。 僕の家の前で一体何をしてるんだろう。 岩ちゃんは鼻の下を指でこすりながら得意げに「お前を待ってたんだよ」と言った。 ……僕を、待ってた? .
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