僕が僕だった日

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「あ、もうひとついい?」 「チッ。なんだよ」 岩ちゃんは露骨に嫌な顔をした。 「その自転車、誰の?」 僕は岩ちゃんが跨がっている自転車を指さした。 真っ赤なママチャリ。 真っ黒な岩ちゃんと鮮やかな赤色はマッチングしているけど、ママチャリは不自然すぎる。 ……まさか。 嫌な予感がする。 「岩ちゃん、盗んだわけじゃないよね?」 「……」 無言。 岩ちゃん。 それは窃盗です。 .
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