僕が僕だった日

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僕が逃走してしまったから、岩ちゃんが真里ちゃんを家まで送り届けてくれたわけだ。 だから岩ちゃんは彼女の家を知っていたってわけだね。 ……て、激しくジェラシー。 ふたりきりで一体何を話していたんだろう。 真里ちゃんに変なことをしなかっただろうな。 親友のことを信じることができない僕。 無意識に岩ちゃんを睨んでいた。 「おい、なんだよ太郎。顔が怖いぞ」 「……なんでもないよ」 逃げ出した僕が悪いんだ。岩ちゃんは優しさで真里ちゃんを送っただけの話。 岩ちゃんに文句を言うなんてお門違いだ。 岩ちゃんは何かに気づいたようで、ひとりでニヤニヤ笑いながら僕に耳打ちをした。 「太陽もいたからふたりきりじゃねーよ。心配すんなって」 「岩ちゃん!!」 やっぱり岩ちゃんは最高の親友だ。 うん。 僕って調子がいいね。 .
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