僕が僕だった日

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紙吹雪が風に舞って消えていくと、真里ちゃんが不思議な飴を僕に返してきた。 「これ、どうしよう」 不気味に光る真っ赤な飴。僕にはもう必要ないものだ。 「何?いらねーの?俺にちょーだい!!」 横からひょいと手を伸ばし、飴を奪い取ったのは岩ちゃんだ。 「あげるよ。食べてみれば?」 ククク。 食べてびっくりするはずだ。 その飴は驚くほどドブ臭い。さすがの岩ちゃんも驚くはず。 「んじゃ早速食ってみるわ!!どんだけイケメンになるか楽しみだな」 岩ちゃんは親指と人差し指で飴をヒョイと持ち上げ、微妙に汚れた舌の上で転がした。 僕は内心ほくそ笑む。 どんな反応をするか楽しみだ。 .
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