僕が僕だった日

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でも、何はともあれ真里ちゃんと友達になれて良かった。 これからは五十嵐太郎のままの僕で、彼女に接することができる。 「真里ちゃん、僕たちそろそろ帰るね」 コンクリートに伏せをした状態でまぶたを閉じている老犬の太郎くんの頭を撫でる。 お疲れのようだ。 早くふかふかのベッドで眠りたい、と心の声が聞こえてきそう。 「あ、その前に。ちょっと待ってて」 真里ちゃんは太郎くんと共にいったん家の中に入っていき、数分後今度はひとりで現れた。 右手にサングラスとマスクを持っている。 .
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