僕が僕だった日

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いつもと違う僕に岩ちゃんが少しだけ躊躇した。 今だ!! 僕はその隙に岩ちゃんの手を振りほどき、岩ちゃんの大きな頭を押さえ付け、無理矢理だけど真里ちゃんに頭を下げさせた。 「ごめんね、真里ちゃん」 そして謝った。 うん。 僕が。 岩ちゃんはすぐさま僕を振りほどき「ふざけんじゃねえ!!」と叫びまくる。 謝る気はゼロらしい。 もうやだ。 ホントやだ。野蛮人。 親友の狂った行動に涙が出そうになる。 結局僕が変わっても、周りが変人すぎるからうまくいかないよ。 真里ちゃんはそんな僕を見つめ、優しく手を握ってくれた。 「太郎くんが謝ることじゃないよ。ホントにもう……優しすぎるんだから」 プギャー!! あの真里ちゃんが。 あの、大好きな僕の憧れの真里ちゃんが、 僕に触れている!! .
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