僕が僕だった日

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これにて一件落着。 僕は真里ちゃんと友達になれて、 飴のことも全部話すことができた。 真里ちゃんの家を後にし、僕は岩ちゃんと並んで歩いている。 真里ちゃんに触れられた手を眺めながらニヤニヤしている僕に、 「気持ちわりーな」と岩ちゃんが言う。 「気持ち悪くたっていいんだ。今日は手を洗えないよ」 むしろこのまま一生洗わないでいたいくらいだ。 「うへへ。こうしてやる!!」 岩ちゃんはポケットの中から何かを取り出したあと、僕の両手を無理矢理握った。 「や、やめてよ!!」 慌てて手を引っ込める。 ……あれ? 何か、おかしい。 手がにちゃにちゃする。 べとべとじゃない、ニチャニチャという表現が一番しっくりくる。 「……岩ちゃん、これ、何だよお」 僕は透明の液体がついた手の平を岩ちゃんに見せた。 .
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