僕が僕だった日

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「ああ、それ?ローションだよ」 「ローション?」 僕の頭が“?”でいっぱいになった。 「ローションって、テレビで芸人さんがつるつる滑ってる、あれ?」 「正解!!」 ……正解!!、じゃないでしょ。 「なんでそんなものを今持ってるの!?」 「そんなんしらねーよ。勝手にポケットに入ってたんだよ!!」 ローションって勝手にポケットに現れるものなの? ポケットを叩けばあら不思議。 ローションの登場!! ……ないない。 そんなアホな話、有り得ない。 「岩ちゃん、ひどいよ」 手をグーパーしてみる。 指の間からとろりとこぼれ落ちるローション。 「香りつきなんだぜ!!」 「え?そうなの?」 手を鼻に近づけてみる。 「ピーチの香り?」 「正解!!」 よく見ると透明じゃない。ほんのりピンク色をしている。 「色つき香りつき、味つきってのもあるんだぜ!! 「へえ。すごいもんだね」」 ……て、感心してどうする。 すっかり岩ちゃんのペースだ。 .
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