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「そんなの簡単じゃん」
どこからか女の子の声がした。
僕にはこの声の主が誰だかすぐにわかった。
「……ユマさん」
見上げると、相変わらずテカテカの唇をしたユマさんが仁王立ちしていた。
「おお、ユマ。今日も最高に綺麗だな!!」
え。
思わず声が出そうになった。
岩ちゃん、いくらなんでもそのお世辞はないでしょ。
太陽なんて今にも死にそうな顔をしているよ。
……て、それはいつもか。
「岩ちゃんにだけユマさんが綺麗に見えるんだね。うん。そんなことより、簡単じゃんってタロちゃんはどうすればいいの?」
前半は余計だけれど、僕に代わって太陽がユマさんに訊いた。
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