10973人が本棚に入れています
本棚に追加
「太陽はひとりで参加させんの?お前、それはひでーよ」
「ち、違うよ」
僕は必死にかぶりを振る。
いくらなんでもそんなことはしないよ。
「真里ちゃんに頼んで友達を連れてきてもらうっていうのは、どうかな?」
「おお!!その手があったか!!」
「うん。いい案だね」
岩ちゃんとユマさんはどうやら乗り気みたいだ。
……あとは。
「太陽は、嫌……かな?」
僕はちらりと太陽を見た。
太陽は、青白い顔に整った目鼻立ちを貼付けた冷たい顔のまま、
「別にいいよ」と言った。
「じゃ、決まりだな。行き先はデートの定番、遊園地」
岩ちゃんがニッと笑う。
今日は歯の間に何も挟まってなかった。
それはそれで、ちょっぴり寂しい気持ちになった。
.
最初のコメントを投稿しよう!