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「ひぃぃぃぃい!!」
深夜だということを忘れ、悲鳴をあげてしまった。
だだ……だって、目の前に幽霊がいたんだもの。
うん。
幽霊の正体はもちろんおばあちゃんだ。
「何やってるんだよ~。普通に登場してよね」
僕は胸を撫で下ろすと、お茶を啜るおばあちゃんの手を引く。
「何やってるって、見ればわかるでしょ?お茶を飲んでるのよ。あっ!!でも今日は、緑茶じゃなくて玄米茶を飲んでるんだった」
うん。
どっちだっていいことだよね。
どちらもお茶にかわりはない。
「とりあえず座って話そう」
相変わらず置きっぱなしにされているちゃぶ台を指差し、座布団に座るよう促した。
「いつの間に座布団なんて用意したのよ」
おばあちゃんはまんざらでもない様子で、座布団にちょこんと座る。
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