10973人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日は何の用なの?もう遅いから明日の支度をして寝たいんだけど……」
せっかく来てくれたのに申し訳ないと思いつつ、本当の気持ちを言った。
時刻は2時を過ぎている。さすがに3時までには寝たい。
「まあまあ、そんな寂しいことを言わないでちょうだい。今日は太郎のためにこんなものを持ってきたんだから」
目の前に突然宝箱が現れた。
もちろんおばあちゃんが持ってきたものだ。
「綺麗だね!!」
見たことのない赤や青の宝石がいくつも散りばめられている。
それに、宝箱なんて生まれてはじめて見た。
「何が入ってるの?」
「見ればわかるわよ」
ウシシ、と笑いながら、おばあちゃんが蓋を開ける。
中から何が出てくるのか、不覚にもワクワクしてしまった。
「……何、これ?」
それが中身を見た僕の第一声だった。
.
最初のコメントを投稿しよう!