決戦は土曜日

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見なくてもわかる。 僕の家族は3人だ。 母さんと僕がここにいるわけだから、残りはひとり。 「なんだよ父さん。別にひとつくらい食べたっていいでしょ!?」 うん。 やっぱり父さんだ。 「一さん、まだたくさんあるんだし、太郎にも食べさせてあげなきゃダメよ」 「ハニーがそう言うなら……」 父さんは唇を尖らせ、ちょっぴりいじける。 ……いい歳をしたオッサンのぶりっ子なんて、正直いってイタイ。 イタすぎる!! だけど父さんは気にする様子もなく、汗を拭いたタオルを僕の首にかける。 「それ、洗濯機入れとけよ」 ……て、僕はパシリか。 父さんのこの性格は、間違いなくおばあちゃん似だ。 僕はこうならないようにしたい。 反面教師ってやつだ。 「ハニーの作る朝食は最高だなー!!今日も仕事頑張っちゃう!!」 はいはい。 勝手に頑張ってください。 父さんが母さん一筋なのは嬉しいことだけど、僕にももう少し優しくして欲しい。 .
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