決戦は土曜日

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それから10分後、これでもかと肌を露出しまくった派手な服を着たユマさんが現れた。 目のやり場に困るとはまさにこのことだ。 岩ちゃんに続き、ユマさんも来るのが早い。 ふたりの待ち合わせはいつもこうなのだろうか。 ユマさんはテカテカの唇を強調させながら、岩ちゃんの腕に自分の腕を絡ませる。 途端、何ともいえない甘ったるい香りが僕たちを包んだ。 「ユマさん、香水つけすぎじゃないかな?」 失礼を承知で言った。 だって、朝食べたスクランブルエッグが口から出そうなほど、その匂いは強烈だったから。 「いい香りでしょ?この香水をつけるとイイ男がたくさん集まってくるんだって。だから全身にふりかけてきちゃった」 ……全身。 そりゃクサイわけだ。 しかも何、イイ男が集まってくる香水って。 雑誌の後ろのほうに載っている「このブレスレットでこんな素敵な彼女ができました」とか「大金ゲットしました」なんてうたっている広告が浮かぶ。 「どこで買ったの?」 僕も欲しい。 実際にそんな素晴らしい香水が存在するなら、ぜひ手に入れたい。 それで真里ちゃんとウフフな関係になりたい!! 「ホントは教えたくないんだけど、これはね、雑誌の後ろのほうに載ってる通販で買ったの」 「……」 図星過ぎて言葉が出ない。 それ、間違いなくインチキでしょう。 .
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