決戦は土曜日

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いや。インチキと言い切ってはダメだ。 何事も先入観で決めつけるのはよくない。 曇った目で見てはいけないと、母さんにいつも言われている。 それに、もしかしたら物凄い効果があるかもしれない。 「それ、効果あるの?」 僕とユマさんの会話を聞いていた真里ちゃんが、恐る恐る訊いた。 「うん。僕も気になる」 ユマさんは頬を赤らめると 「ちょーモテモテなの」 と言いきった。 「え!?それホント!?」 それが事実なら、僕も買いたい。 「どれくらいモテるの?色んな人に告白されたりするの?」 真里ちゃんはあくまでも冷静だ。 「やだあ。強からモテモテって意味よ。私、強以外興味ないし」 ……あ、そうですか。 そういう意味ですか。 「まあ、そうだよね」 ちょっぴり期待した僕が馬鹿だった。 そんなモテモテ香水が本当に存在するなら、今頃この世にモテモテ人間が溢れているはずだ。 「そうだよ。そんなにうまい話はないよ。ね、太郎くん」 真里ちゃんが僕の肩をポンと叩いた。 僕があまりにもユマさんの話に食いついていたからか、彼女は憐れむような目で僕を見つめた。 「ドンマイだよ、太郎くん」 ああ。 穴があったら入りたい。 僕は真里ちゃんにモテたいだけなのに。 .
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