決戦は土曜日

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さらに10分後、ビシッとスーツを着た太陽が現れた。 ブランド物のスカーフが首を飾り、そこにいるだけで猛烈に目を引く。 「死神、カッコつけすぎじゃねえ?」 よせばいいのに、岩ちゃんは早速太陽に絡む。 「……別にカッコつけてるわけじゃないよ。スーツって制服みたいで落ち着くんだよね」 なるほど。 言われてみるとそうかもしれない。 サラリーマンにとってスーツは制服みたいなものだ。 ……て、太陽はいつからサラリーマンになったんだ。 「太陽くん、スーツがすごく似合うね!!格好いいよ」 真里ちゃんが弾んだ声で言った。 カッコイイ。 そうか。そうだよね。 やっぱり真里ちゃんは、太陽みたいなイケメンがいいんだろうな。 田中くんもイケメンだったし。 すぐ卑屈になる僕。 我ながら嫌な性格だ。 「ありがとう。真里ちゃんは今日も可愛いね」 太陽はおはようと挨拶するのと同じように、サラリとそんな台詞を言う。 僕が言いたいことを、いとも簡単に言ってしまう太陽。 そんな太陽を格好いいと褒める真里ちゃん。 悔しいけれど、ふたりは絵になるほどお似合いだ。 そこに並んでいるだけで、ふたりだけが浮かび上がっているように見える。 .
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