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そんな美男美女を目の当たりにして、遊園地に入る前から憂鬱な気持ちになってしまった。
僕が必死にオシャレをしたところで、太陽には到底敵わない。
真里ちゃんに格好いいなんて絶対言ってもらえない。
オシャレに見えない理由のひとつに、太っていることが挙げられると思う。
わかっているのに痩せることをしない僕。
自己嫌悪だ。
「太郎くん、どうしたの?元気ないよ?」
真里ちゃんが心配してくれる。
いつも優しい真里ちゃん。だけど今はその優しさが悲しかった。
「おい!!太郎、死んだランチュウ(金魚)みたいな顔してんじゃねえよ!!これからみんなで遊ぶってときにテンション下げんな!!」
「う、うん。ごめんね。」
そうだよね。
みんなに迷惑をかけちゃいけない。
無理矢理に笑おうと顔をあげると、女の子と目が合った。
にっこり笑ってこっちに向かって駆けてくる。
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