決戦は土曜日

40/49
前へ
/314ページ
次へ
もう無理。 ホント知らない。 誰も出てこないよ。 「沖田総司もいいよね!!ところで、ただのデブの太郎くんは?」 焦りすぎて大量に汗が吹き出す。 ……ていうか、華さん、さりげなく“ただのデブ”って言ってます。 みんなの視線がただのデブに集まる。 ええ。自虐です。 こうなりゃヤケだ。 隊士ってたくさんいたんだよね? 誰でもいいから適当に言ってやる!! 「え……えーとねえ……。そうだなあ……。ヤマザキさんとか、好き……かな」 ヤマザキさんって誰やー!! 自分で言いながら、ツッコミたくなった。 「太郎くんは山崎さんかあ。あたしも好き、山崎さん」 真里ちゃんが笑顔を向けてくれた。 ……え。 いるの?山崎さん。 存在しちゃうの? あてずっぽうに言った名字の隊士がたまたま存在していたという、奇跡のような偶然。 おお。神様、仏様、ヤマザキ様。 僕は救われました。 .
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10973人が本棚に入れています
本棚に追加