決戦は土曜日

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ホッと安堵の溜息をついた僕の耳元で、 「次はこんなうまくいくと思うなよ、ブタ野郎」 と、華さんが女王様面で囁いた。 裏表ありすぎでしょー。 なにあの恐ろしい顔。 あれは悪魔に魂を売った人間の顔だよ。 「ごめんね、太郎くん」 何もなかったように笑顔で太陽の隣を歩く華さんを見つめる僕に、申し訳なさそうに目を伏せる真里ちゃん。 「えっ。真里ちゃん、何謝ってるの?」 「だって華ちゃんが太郎くんに意地悪してたから」 「あ……」 気づいてたのね。 「太郎くん、顔に出るタイプなんだもん」 指摘されると恥ずかしくなる。 僕が新撰組を知らないということが、彼女にバレていたなんて。 ああ。 穴があったら入りたい。 「それにしても華ちゃん、やり過ぎだよね。いい子なんだけどすっごいドSなんだよ」 ……ドS? うん。 たしかにドSだと思います。 「太郎くんみたいなドMな人をみると、いじめたくなるんだと思うの」 真里ちゃん、さりげなく僕のことドMって言ったよ。 たしかに僕はMだけど。 いや、正確にはドMだけど。 そんなにサラッと言われると、嫌な汗が噴き出しちゃうよ。 .
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