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「ほんと可哀想。太郎くん大丈夫?」
先程とは打って変わって猫撫で声で話す華さん。
怖い。とても怖い。
彼女のようなドSな人間が僕の心配をしてくれるわけがない。
現に岩ちゃんを見ればわかる。
露骨に顔を歪め、心底僕のことを軽蔑している眼差しだ。
……それもひどい話だ。僕だって好きで吐いたわけじゃない。
「片付けますから大丈夫ですよ」と、園内で働くおじさんがやってきた。
「本当にずみまでん」
鼻水と涙でぐしゃぐしゃになりながら、僕はおじさんに頭を下げた。
さようなら。僕の朝食たち。
今朝美味しくいただいた朝食たちに敬礼し、僕は近くのベンチに腰掛けた。
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