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ほんとはスーハーしたい。
こんなチャンスめったにない。
でも、僕は。
「やめて。お願いだから、ほんとにやめて」
精一杯の力で岩ちゃんを押し返す。
誰か、オラに力をわけてくれ。
ほんのちょっとでいいから、力を。
「ったく、ノリが悪りーな」
岩ちゃんは僕の後頭部に乗せた手の力を緩めた。
その瞬間、勢いよく僕は体を起こした。
「ごごごご、ごめんね、真里ちゃん」
不可抗力で、真里ちゃんの大切な部分に顔を埋めてしまいました。
何を言われるかヒヤヒヤしていると、真里ちゃんはにこやかに笑っている。
「本当に真面目だよね、太郎くん。今だって悪いのは太郎くんじゃなくてあの黒い人でしょ?だから、何も気にすることないのに」
「……真里ちゃん」
さりげなく岩ちゃんのこと黒い人って呼んだよね。
もはや、名前も呼びたくないレベルに嫌いなんだね。
そんなことより、真里ちゃんは本当に天使のようだ。
デブでかっこ悪い僕に優しくしてくれる女の子、真里ちゃんしかいない。
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