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それからドアをスライドさせる音がして、ふたつの足音が遠くなっていった。
もう、出ても平気かな。
僕は汗でびっしょりと濡れた額を拭いながら、狭い掃除用具入れから生還した。
30分したら彼等はここに戻ってくる。
その前にこの場から脱出しなくては。
僕は少しだけドアを開けて廊下を確認すると、足音がしないように上履きを脱いでこっそり生徒会室を後にした。
せっかく格好よく変身できたというのに、知りたくもない秘密を知ってしまった僕の耳には、
いつまでもあの2人の声が絡み付いていた。
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