僕が犯罪者になった日

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「何を言っているんですか。この鞄はボボボ……ボークのだすよ」 ……ひどい。 噛んだだけにとどまらず、ボークなんてまるでアメリカ人だ。 そもそもボークなんてアメリカ人、聞いたことないぞ。 それでも僕は引いちゃいけないんだ。 「ぜったい、ぜったい僕のです!!渡せますん!!」 鞄を胸に抱いたまま、必死にかぶりを振った。 真里ちゃんは困ったように眉を下げ、次の言葉を探す。 そんな真里ちゃんを目の当たりにして、僕は思った。 彼女は噂通りに優しくて、大人しくて、そして可愛くて清楚な女の子だ。 ああ!! ますます許せないよ田中くん。 こんな素敵な女の子がいるのに、浮気だなんて。 .
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