僕が犯罪者になった日

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スローモーションだった。 田中くんが滑り、彼の体が宙に舞う。 バタバタと両手をばたつかせ、必死にバランスを取ろうと試みている様が見える。 両親の顔が浮かんだ。 それから、おばあちゃんの顔。 岩ちゃんと太陽もいる。 みんな僕に向かって手を振っている。 ああ。 これが走馬灯というのか。 あれ? 僕、死ぬの? こんなところでイケメンのまま、死んじゃうの? 声をあげる間もなく、 僕の体は田中くんを受け止め、 床に叩きつけられた。 .
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