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まずい展開になったぞ。
僕はベッドの上で頭を抱えた。
床に叩きつけられた頭はまだズッキンズッキンしていて、痛みに負けてこのまま寝てしまいたいくらいだ。
だけどそんなことは出来ない。
すーすーと寝息が聞こえている。
真里ちゃんから甘い香りが漂う。
僕はそれを出来るだけいっぱい吸い込み、堪能した。
やめて!
変態なんて言わないで。
こんなチャンス、二度とないかもしれないんだ。
最後に一瞬、ほんの一瞬だけ、彼女の髪に触れた。
それは猫のように柔らかくて、掴んだら消えてしまいそうな綿菓子みたいだった。
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