ふたつめの飴

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「たしかにオキマリちゃんだけど、沖、真里ちゃんだよ。沖のあとに空白を入れて!!」 「チッ。いちいちウルサイ男だねぇ。一体誰に似たのかね?」 おばあちゃんはぶつくさ言いながら、爪楊枝で歯に詰まった食べ物を取っている。 何だってこんなにマイペースなんだ。 おじいちゃん、大変だっただろうな。 死んだおじいちゃんにちょっぴり同情した。 おばあちゃんは使用済の爪楊枝を折ると、それをごみ箱に投げた。 爪楊枝はごみ箱に届くことなく、カーペットに落ちた。 おばあちゃんは当然のようにそれを無視し、僕に言った。 「それ、捨てといてちょうだい」と。 .
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