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僕は碇四郎。15才だ。部活は一応剣道部。でも・・・
「メーーン」
「くそっ。またやられたよ四郎のやつ」
「ごめん」
「いいよ別に。負けることなんて最初からわかってたからな」
「ごめん」
剣道部の仲間はみんなさっさと帰ってしまった。
残っているのはいつもどうりの姉と母親だけ。
落ち込んでいる僕を2人だけはいつも慰めてくれる。
「四郎かっこよかったよ。お母さんびっくりしちゃった」
「お姉ちゃんも四郎は頑張ったと思うよ。相手が悪かっただけだよ」
すると四郎は今までの怒りが抑えきれなくなってしまった。
「うるさいんだよ、毎回毎回勝てるはずも無い試合に来てさ、強くなるはずも無い俺を励ましてさ。何のつもりなんだよ!おちょくってんのかよ!勝てるはず無いと思ってるんならもう来ないでくれ!」
四郎はそう言って飛び出していった。
「友達なんか、家族なんかいらないんだよ~!」と叫びながら走って走って走りまくった。
一心不乱に走った。
10分ほど走っただろうか。
ふと気づくと四郎は周りを木に囲まれた広い草原にいた。
そこには何も無かった。ただ一つの古びた扉を除いては・・・。
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