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おれは しんいりの はなしを きくことに した。
おれは しんいりの いえに ついていってやった。
しんいりは ひとり らしい。
“おじいさん”とやらは すこしまえに とおくに いってしまったらしい。
その はなしを するとき しんいりは すこし とおくを みるような でも どこも みていないような めを していた。
おれは かえることにした。
『ふふふふ。またきてね、クロちゃん』
クロちゃん?
それは おれの ことなのか。
ほかに なにも いないから そうなのだろうか。
ふしぎな きぶんだ。
ごねんも いきてきた このまちが すこしだけ いろをかえた。
「この!」
「どろぼうねこが!」
「きたないねこ…」
「おい!」
そんなふうに よばれてきた。
これが なまえ か。
いつもより みみを しっぽを あしどりを
ほこらしげに して
いつもより かろやかに たからかに ふわりと
へいに とびのった。
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