6月8日(火)

5/19
前へ
/265ページ
次へ
困惑する七海。 ──どうして私の机に宮田君の携帯が入ってるの。学年主任に連絡した方が……。 「七海先生まだですか?早く朝礼始めて下さい!」 楓と隼人は職員室のドアから顔を覗かせて言った。 「ご、ごめん、今行くから」 七海は目を力強く閉じて楓と隼人に詰め寄った。 3人は教室に戻った。楓、隼人は早々と席に着き、七海は黒板の前に立ってチョークを手に取った。 その瞬間、顔を「っう!」っと歪める。 七海の人差し指から流れる赤い血。チョークにカッターの刃が埋め込まれていて、爪の先ほど刃が顔を覗かせている。 全てのチョークの一部分が日の光を反射させ、艶めかしい光を放っていた。 七海は表情を強張らせ咄嗟に声を張り上げ怒鳴った。 「誰!!こんな子供じみた悪戯をしたのは!前に出てきない!!」 沈黙が落ち静まり返る教室。 七海はさっと手で口を塞いだ。すると、生徒達はこうなることを予想して待ってましたと、ここぞとばかりに次々と発言し出した。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102458人が本棚に入れています
本棚に追加