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七海は電気を消し、布団に包まり顔を布団に沈めた。物静かな部屋。時計の秒針が鳴る。
誰かに見られてる、見張られていると感じているとき、携帯の着信音が鳴り響く。
七海は枕元に置いていた携帯を手に取った。
ディスプレイには【非通知】。
「もしもし」
返事がないので電話を切ろうとした途端、通話口から小さな声が漏れてくる。
『神城中学校2-Aで自殺しようとしてる人がいます。誰でしょう』
「誰?!神城中学2-Aって私が受けもってるクラスじゃないの!」
電話は一方的に切られた。七海は飛び起き、急いでクラス名簿を開いて名前を一つずつ指で綴った。
しかし、自殺しそうな雰囲気がある子、そんな思考を持っていそうな子の検討がつかない。
一つに纏まった良いクラス。虐めもない。悪戯電話の可能性も疑った。けど、もしものときを考えたらほっては置けなかった。
──まだ中学生なのよ、どうして自殺しようと考えるの。
……愛里ちゃん。口数が少なく大人しくて、何を考えてるか分からないところがある。クラスに馴染めてないというか、馴染もうとしない。
深夜だったが七海は愛里の自宅に電話をかけた。両親が出る。事情を簡略に話して愛里に変わってもった。
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