6月8日(火)

2/19
前へ
/265ページ
次へ
七海は電気を消し、布団に包まり顔を布団に沈めた。物静かな部屋。時計の秒針が鳴る。 誰かに見られてる、見張られていると感じているとき、携帯の着信音が鳴り響く。 七海は枕元に置いていた携帯を手に取った。 ディスプレイには【非通知】。 「もしもし」 返事がないので電話を切ろうとした途端、通話口から小さな声が漏れてくる。 『神城中学校2-Aで自殺しようとしてる人がいます。誰でしょう』 「誰?!神城中学2-Aって私が受けもってるクラスじゃないの!」 電話は一方的に切られた。七海は飛び起き、急いでクラス名簿を開いて名前を一つずつ指で綴った。 しかし、自殺しそうな雰囲気がある子、そんな思考を持っていそうな子の検討がつかない。 一つに纏まった良いクラス。虐めもない。悪戯電話の可能性も疑った。けど、もしものときを考えたらほっては置けなかった。 ──まだ中学生なのよ、どうして自殺しようと考えるの。 ……愛里ちゃん。口数が少なく大人しくて、何を考えてるか分からないところがある。クラスに馴染めてないというか、馴染もうとしない。 深夜だったが七海は愛里の自宅に電話をかけた。両親が出る。事情を簡略に話して愛里に変わってもった。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102458人が本棚に入れています
本棚に追加