見張りは危険

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「夜明けまであと六時間ってトコかなぁ。眠た。」 杖と雑嚢、その他必需品を身に付けて少し歩き 近くの木に登ると、簡単な索敵の魔法陣を敷く 誰が陣内に侵入しても反応する一番ちゃちな奴だが魔力の消費は抑えたい 仲間の名前を除外対象に指定して 張り終わった陣の端にある岩に腰かけた しばらくそうしていると視界の端に流れ星が過ぎ去って 星見でもしようかと思いながら満天の星空を見上げてみる 「えーっとぉ?北があっち……っ!」 方角を確かめようとした指先にパチッと小さな火花が散る 同時に光でできた矢印が羅針盤のように方向を示す 誰かが魔法陣内に侵入したのだ 「こっちか……敵かなぁ。」 人数は一人だ 余程強いのか、迷いこんだのか 杖に魔力をためながら味方の精霊使いに念話で誰かが近くに居ることだけ告げる 『ランカーかもしれない、気を付けろ。』 『はい。』 それだけ話して念話を切り うっすらと影の浮かんだ前方に集中する
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