496人が本棚に入れています
本棚に追加
「そこまで言うんならしょうがねーな…お前はせめて話が分かる奴で良かったよ。ただ、碧蒼に甘過ぎだけどな。」
「……すみません、これからは気をつけます。」
また、松兄ぃが精悍な顔を申し訳なさそうに歪めて頭を下げる。
おれなんかより、一回りも二回りもデカいその身体がこの時だけは小さく思えてくる。
……アンタがそんな態度とってると、おいらがどうしていいのか分かんなくなんだよ……。
「…ま、コイツに甘ぇのは俺も同じか。」
葉巻を口にくわえると旦那が薄笑いを浮かべておれらを見た。
人を小馬鹿にしたような口元に、冷えきった視線…
いつだってこの人の眼の色は変わらない……
だから、キライ。
「その言葉も一体何回言やぁ気が済むんだろうな。
お前から引き離して遊郭に飛ばしゃー何か学ぶと思ってたけどよ…態度が悪いと返品された挙げ句、逆に甘ったれになりやがって…」
ゆっくりと溜め息をつくように煙が吐き出されると葉巻の独特なニオイが部屋中に広まっていった…
「コイツのためにも、直々にお仕置きしてやらねとーな…」
旦那の視線がおいらを捕らえた。イヤな予感が背筋を駆け抜けてく……
「さて、碧蒼…任務の依頼だ。
やってくれるな?」
ここからが本題と言わんばかりに歪められた口元がこれからのキツいお仕事を意味していた…。
.
最初のコメントを投稿しよう!