呪歌と泡恋

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「内容は?もしまた変な場所に飛ばされるようなら、何が何でもいかねーから。」 もう、遊郭なんかまっぴら御免だからな… 「フッ、安心しな。任せんのはテメーの本業だからよ。」 旦那は鼻でおれの不安を笑うと、周りに指示を出し、黒スーツの1人が薄っぺらい紙を手渡してくる。 「今回の標的(ターゲット)のプロフィールだ。そこに書いてある野郎を仕留めて来い。」 そう言われて紙を覗き込む。そこには、ちっさい字でズラズラと細かい内容が書かれてるみてーだけど読む気にならない。 てか、おいら…字読めねーし。だから、情報として分かるのは左上に貼りつけられた写真だけだ。 「これが…今回の標的…?」 おいらとそんなに変わんない年頃だと思う。 ぱっちり二重でクリクリした目は燃えるような紅色、唇は厚くてチューとかしたら絶対やわらかくて気持ちイイはず。 なんか、全体的に爽やかなお坊ちゃんって感じ? 好青年みたいな言葉が似合う。育ちが良さそうで、あと頭もよさそうな雰囲気…たぶん…てか、絶対優等生キャラだよね。 見た感じ、けっこうタイプかも。なんて思って見てたら、その紙を松兄ぃに横取りされた。 「あっ、まだ見てたのにー」 「どうせ、お前ぇは見てもなんも分かんねーだろうが。」 そう言ってまたおれをバカにして紙に目を落とす。 そして、貼り付けられた写真を見るなり松兄ぃの血相が変わる。 「っ!!…これッ……」 ニヤリ。旦那が口元を歪めておれ達を見る… 「そう、今回のターゲットは…この国の時期国王。紅桜国(コウオウコク)第一王子だ」 .
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