始まりは炎の狼煙

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中心地カリスが近づくにつれて民家がどんどん増えてきた。 そんな折、理緒はハッと足を止めた。 それに気付いた二人も立ち止まる。 「どうしました?」 亮亜が気遣わしげに聞いた。 (ざわめき、煙の臭い、はぜる音。複数の足音、気配) 「火事か」 理緒の言葉に二人は耳を澄ます。 「…!確かに」 「こっちだ、行くぞ!」 理緒は言うが早いか、駆け出した。 「えっ!ちょっと待って下さい!いくら火事でも、あなたが行く必要なんか…っ…」 しかし、理緒は聞かずに行ってしまった。 「ああ…」 溜め息をつく亮亜に、琅はにやりと笑った。 「そういう人だよ…。昔から」 「…そうですね」 「さて、私達も追いますか」 琅は理緒の匂いを追って、走り出した。 亮亜も続く。
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