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──理緒様、右に曲がった方が良いです。その方が道が真っ直ぐで、障害物も少ないですから。
直接頭に響く女性の声。
「ありがとう、ユナ」
──礼には及びません。あなたを助けることが私達の使命。
「そんなに律儀なのはユナだけだよ」
走りながら、理緒は肩にユナがいる気配を感じた。
ユナは理緒が契約を結んだ四神獣の内の一体で実体は黒猫の姿をしている。
実体は理緒が持っている腕輪に封じ込められているので、今は気配だけで現れたようだ。
その時、濃い煙の臭いが理緒の鼻をついた。
現場まではもうすぐだった。
理緒がたどり着いた時、そこには人垣ができていた。
慌ただしげな足音がそこかしこでしている。
「ユナ、状況を」
──はい。やはり火事ですね。とても大きな屋敷が燃えています。数人が脱出成功したもよう。
「中には?煙で鼻が利かないし、気配が入り混じってわからない」
──今見てきます。
ユナの気配が遠ざかる。
パチパチと炎がはぜる音がしばらく辺りに響いた。
その時、亮亜と琅が追いついて
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