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オウガイに拾われたサウザーはすくすくと育っていった。
オウガイには子どもはいなかったのでサウザーは本当の子どものように育てられた。
そしてサウザーが6歳になったある日、好奇心からサウザーは1人で外に出掛けてしまった。
「これが外の世界・・・」
サウザーは今まで道場の外へ出た事が無かった、そのため、注意力も散漫していた。いつの間にか彼は道場とは遠く離れた森まで来てしまった。
グアアア!と、恐ろしい声を聞いたサウザーが、ハッと気がついた時にはすでにサウザーは狼の群れに囲まれてしまっていた。
飢えた狼達は、久しぶりの獲物を捕らえようとじわじわと近付いてくる。
サウザー「父さん・・・!」
狼達が飛びかかろうとしたその時、1匹の狼が突然八つ裂きにされた。狼達が驚き、その方向を見回すと、そこにはオウガイの姿があった。
サウザー「父さん!」
オウガイ「大丈夫だったかサウザー!」
狼達はもはや戦う気を失い逃げていった。
サウザー「ごめんなさい、父さん、勝手に抜け出してしまって・・・」
オウガイ「そんなことはいい、お前が無事で本当に良かった!」
サウザー「ところで父さん、今の技はいったい?」
オウガイ「あれは、南斗鳳凰拳という拳法だ。・・・サウザーよ、お前にはこの南斗鳳凰拳をどう思った?」
サウザー「父さん・・・僕も出来るようになると思う?」
オウガイ「もちろんだとも。サウザー、今日はこれで帰ろう。」
オウガイはニコッと笑い、サウザーを抱きかかえて帰っていった。
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