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その夜のこと。
サクヤは満天の夜空を見上げていた。
サクヤ「………」
サウザー「こんな所で何をしているのだ?」
サクヤ「サウザーさん。…夜空を見ていました。」
サウザー「なるほど、今日はよく星が見える。」
サクヤ「サウザーさん。今日は本当にありがとうございました。」
サクヤが微笑みながらそう言う
サウザー「礼などいらん。おまえの兄にも言ったことだが、俺にとっては余興に過ぎなかった。」
サクヤ「それでもサウザーさんは私たちを助けてくれたでしょう?やっぱり礼は言っておかないと。」
サウザー「おまえは本当に兄と同じことを言うな…。」
サクヤ「昔からよく言われました。私と兄はよく似てるって。」
サウザー「…サクヤ、おまえは俺を恐れぬのか?目の前で暴徒共を切り刻んだ、この俺を。」
サクヤ「恐れる訳がないじゃないですか。だって、サウザーさんはとても優しいですから。」
サウザー「優しい?この俺が…?」
サクヤ「はい。人の為に闘えるなんて、優しい人にしか出来ないことです。だから。」
サウザー「人の為に…そんなこと、考えたことも無かった。」
再びサクヤは微笑みながら言った。
サクヤ「じゃあこれからはそうやって自分の為じゃなくて、他人の為に、闘ってください。」
サウザー「………」
サクヤ「サウザーさん、私は…」
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