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そして、2人の修行の日、南斗の道場には朝早くから凄まじい音が聞こえていた。
ヒソウには有り余る程の拳の才能があった。それも南斗六星拳とでも肩を並べることが出来る程に。
だが、サウザーもまだ未熟とは言え南斗聖拳最強の拳法、南斗鳳凰拳の使い手、両者の力は全くの互角であった。
「・・・はあはあ。さ、さすがだ。」
先に息を切らしたのはサウザーだった。
「今日は・・・俺の勝ち・・・だな。」
ヒソウもまた、残った力はほとんど無かった。
オウガイ「そこまでだ!」
陰から2人の修行を見守っていたオウガイの声が道場に響いた。
オウガイはいつものように2人の汗を拭いながら微笑んだ。
「そういえば、サウザーは知っているか?」
2人の修行が終わり空が赤くなる頃ヒソウが話を切り出した。
サウザー「何をだ?」
ヒソウ「10日後に北斗神拳の長兄、ラオウが南斗10人組み手に挑むため、ここ、南斗闘練場に来るらしい。」
「北斗神拳!?南斗聖拳と対を成すあの!」
サウザーは、北斗と南斗に他流試合がある事は知っていた。そして挑戦者が負けた場合、その者は生きて帰る事は出来ないという非情の掟までも。
「そしてラオウは我らと年もそう変わらないそうだ。」
ヒソウの言葉にサウザーは更なる驚きを感じた。
「10日後・・・」
サウザーはそのラオウという男に激しく興味を抱いた。
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