大きな進歩

4/4
前へ
/105ページ
次へ
次の朝、俺はいつものように蒼馬を迎えに行く。 最近暑くなってきた。 自転車で走ると爽やかな風が頬にあたって気持ちいい。 いつも通り蒼馬の家の前で自転車を停めて、インターホンを押す。 ピンポーン 「蒼馬~!」 ガチャッ 蒼「はよ~。」 いつも通りの眠たそうな蒼馬の声。 *「おはようございます。」 そしていつも通りの可愛い声…? 「なっ なんで?!」 なんでさくらちゃんが居るんだよ?! 蒼「なんでって、今日からさくらも一緒だけど…駄目?」 「いぃやっ 駄目じゃない駄目じゃないよっ!!」 むしろ超嬉しいし!! 「お、おはよっ さくらちゃん。」 さ「おはようございます、三神田先輩^ ^」 ひとしきり挨拶を終え、学校への通学路を自転車三台で進む。 蒼「てかお前らカタくね?さくらもこんな奴に敬語使わなくていい。」 「こんな奴とか言うなっ!!でも敬語はやめて欲しいかも…」 さ「イイんですか??」 「もちろん!!」 これで少しは距離が縮むかな? さ「じゃあ、慣れたらそうします^ ^」 「え…あ、そうだね…」 なんだよぉ 喜んで損した!! 蒼「まぁでもせめて三神田先輩はやめろ。聞いてて俺が気持ち悪い!」 なんかちょっとムカつくけど、今回はナイス蒼馬!!さ「じゃあ、なんて呼んだら…」 チャーーンス!! 「千秋で…蒼「ミカでいんじゃない?」 うぉい!!! なんて事言いやがるこの野郎! さ「ミカ??」 ミカというあだ名を聞いて不思議そうな顔をするさくらちゃん。 そういう顔も可愛いんだよなぁ~ そしてぱあっと顔が輝いたと思ったら さ「三神田だからミカなんだぁ」 納得した顔に変わる。 瞬間的にころころ変化する表情がとてつもなく愛らしい。 さ「じゃあ、ミカ先輩って呼びますね。」 「あ…うん。」 結局ミカになっちゃったよ… この名前あんま好きじゃないのに… でも「三神田先輩」よりいいか。 コレもきっと大きな進歩だ!! 俺の呼び名が決まったところで、学校に着いた。 自転車を置き、さくらちゃんと別れて蒼馬と教室へ向かう。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加