渡廊下の章

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 耳鳴りがするほどの静寂だけが辺りを覆う。  人気もない。  昼間とは大違いだ。 「じゃあ始めるよー!」  優奈が大袈裟に右手を振りながら叫んだ。  それに返すように手を振る。 「せーの」  誰のものかもわからない合図で咲智、琢磨が同時に歩き出す。 「いーち、にーい、さーん」  一歩一歩を声に出しながら数える。  二人が一歩一歩を同時に歩く。 「じゅーいち、じゅーに、じゅーさんっ!」 .
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