渡廊下の章

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 反射的に声のした方を振り返った。  しかし、誰もいなかった。  何もいなかった。  ただ闇が続くばかりである。  呼吸を落ち着かせようと深呼吸し、前を向いた。    ぐいっ、引っ張る  冷たい感触。  氷を手首に押し付けられているかのような。  骨の髄まで伝わるような。  黒い手、 .
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