渡廊下の章

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 そう思いつつも疲弊した身体は言うことを聞かず、扉にもたれながら崩れ落ちる。  四肢を投げ出し、頭を垂れて。  心臓だけは相反して激しく動き続ける。  動悸が治まらない。  未だ残る感触。  掴まれたときの感触が、今もまだ掴まれているかのようにリアルに残っている。  そういえば、だ。  みんなは一体どうなったのだろうか。  安否が心配だった。  連絡をとりたい。  だが、肝心の携帯電話は教室に置いてきてしまった。 .
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